米ARM社は、スマートフォン・タブレットの64bit化への布石となる、次世代ARMアーキテクチャ「ARM v8」の詳細の一部を発表しました。
パソコンでは最近になり64bitが当然になってきましたが、現在主流であるiOSやAndroidを搭載するスマートフォンは、その全てが32bit機であり、64bitには対応していません。しかし現状の32bit環境のままではRAMの容量が最大4GBに制限される”4GBの壁”にぶち当たってしまう事が懸念されています。
現時点でのスマートフォン・タブレットのスペックでは、4GBの壁を意識する事はありませんが、来年に発売されるGalaxy SIIIは2GBのRAMを搭載していると噂されているなど、今後とも端末の性能は向上を続け、数年のスパンで見た場合いずれ4GBの壁にぶち当たってしまう事態が想定されます。
このためARM社は、64bitに対応するアーキテクチャの開発を進めており、今回のARM v8の詳細の発表に至った模様です。64bitアーキテクチャという事で心配なのは32bitとの互換性ですが、ARM v8は”AArch32”という実行モードを持ち、32bitのアプリケーションを動作させることが可能なもよう。
ちなみにこのアーキテクチャはまだ先の技術であり、詳細な仕様が公開されるのは2012年後半とのことですが、ARM v8に対応するソフトウェア開発環境は2012年1月から提供されるという事です。実際にスマホやタブレットが64bit化されるのは数年先の話となりそうです。