CEATEC JAPAN 2014から。シャープがクアルコムと共同開発した、液晶でも有機ELでもない新型ディスプレイ「MEMS-IGZO」の実物に触れてきました。
MENS-IGZOは、液晶とは全く異なる方式のディスプレイ。赤・青・緑の3原色のLED画素を配置し、機械式シャッターが開閉することで明暗や色を表現。従来の液晶のように、カラーフィルターに光を透過させる必要がなく、明るく鮮明な表示を、IGZO比で半分の低消費電力で実現します。
搭載製品は2015年初頭に登場しますが、現時点では弱点も多いことが、シャープブースでの取材で判明しました。
まず手動のモード切り替えが必要な点。MEMS-IGZOは「高色再現」「高輝度」「白色表示」の3モードを搭載し、モードによって機械式シャッターの開閉方法を変えています。表示する内容にモードを合わせなければ、MEMS-IGZOのポテンシャルを発揮できないのですが、モード変更は現時点では手動。コンテンツを認識の自動モード変更することは、担当者によると、難しいそうです。
また上記は、2015年初頭に発売予定の、MEMS-IGZO搭載のタブレット端末。ディスプレイサイズは7インチ。4G LTE通信や、防水防塵にも対応。業務用として発売されます。フロントの見た目は普通ですが・・・
側面に回ると、その分厚さにびっくりします。担当者に「この分厚さはMEMS-IGZOによるものですか?」と聞くと「はいそうです」と苦笑い。
ライバルの、有機ELディスプレイは、バックライト不要で液晶よりも薄型化できるメリット等も持ち合わせますが、MEMS-IGZOは機械式シャッターを搭載するため、現時点で薄型化は達成していません。スマートフォンへの搭載も難しいでしょう。
担当者によると「薄型化の努力はもちろんする。今のままではMEMS-IGZOは見向きもされない」と話していました。